仮想通貨マーケットの仕組み ~バンドワゴン効果~




失敗するたびに這い上がり、不屈の闘志をもってマーケットに立ち向かうためには何が必要なのか。マーケットで勝ち続けるための発想術が書かれている投資家なら読んでおくべき不朽のロングセラーデイトレードを読んでいます。

トレードのテクニック的な話ではなくトレードする際の心構えといった精神論的な内容です。専門用語が出てくるわけではなく、わかりやすい例え話が中心で初心者には勉強になりありがたい1冊です。

今回はこの本の中で出てくる「バンドワゴン効果」というマーケットの仕組みを非常によく表してる話を紹介します。

2017年の仮想通貨バブルと2018年の大暴落を経験した方にとっては、以下の話は戦慄が体を突き抜けるでしょう。

バンドワゴン効果 ~マーケットの仕組みを垣間見る~

バンドワゴン(楽隊車)が賑やかに進んで行く様子を思い浮かべてほしい。耳に心地よい音楽がバンドワゴンのスピーカーから流れてきてはいるが、バンドワゴンの後ろについて思う存分楽しんで盛り上がっているのはごく少数の人々である。

音楽は大きな音で鮮明に鳴り響き、沿道にいる傍観者たちを次第に引きつけて行く。こうした傍観者たちは甘い音楽に抗することができず、盛り上がっているように見えるパーティーに飛びこんで行く。

傍観者たちが次々とバンドワゴンの後ろに参加していくなかで、当初パーティーの始まりを楽しんでいた人々は離れて行く。後からパーティーに参加してくる人々が増えてくるに従って、バンドワゴンは同じペースで前に進むことが困難になってくる。

バンドワゴンの進行速度は徐々に遅くなり、陽気な騒ぎを見物していた傍観者のさらなる参加を可能にする。群衆はさらに大きくなる。酔っ払った群衆に囲まれてバンドワゴンが前に進めなくなるまで群衆は拡大を続ける。

やがてバンドワゴンは完全に停止する。

バンドワゴンが全く動かなくなると、さらに群衆が膨らんでいく。それも当然である。この時点でパーティーに参加することは極めて容易である。パーティーに加わろうとする人々はもはやバンドワゴンに飛び乗る必要もなく、何の苦労も要しない。

しかし、バンドワゴンの本分は前に進むことである。停止しているバンドワゴンは不自然なものであり、したがって、その状態は長続きするものではない。バンドワゴンは前に進もうとするが、進むことができない。バンドワゴンの後ろの群衆があまりにも多すぎる。

バンドワゴンは何とかこの重荷を振り払わなければならない。そう、バンドワゴンはバックし、数人をなぎ倒すのである。

音楽が鳴り止む。群衆の中に困惑した顔が見える。何が起こっているのかわからぬうちに、再びバンドワゴンは先ほどよりも乱暴にバックする。さらに多くの人々が放り出される。そして、現実が目の当たりになる。

突如として饗宴は悪夢に変わり、パニックが生じる。ある者はバンドワゴンから飛び降りて死んでしまう。さらにバンドワゴンがバックすると、酔っ払って足許のおぼつかない人々が地面に投げつけられる。

この時点で、わずかな、熱狂的なバンドワゴンのファンのみがつかまっている。

彼らの命は非常に細い糸にかかっている。完全に自由になることができないまま、バンドワゴンはアクセルを全開にする。この最後のバックはあまりにも荒々しく、最後までバンドワゴンにしがみついていた人々は振り落とされ、地面に叩きつけられ重症を負ってしまう。

この時点で、新たな傍観者の一群がどこからともなく現れる。彼らは酔っ払っておらず、平静である。彼らの一挙手一投足は、今しがたの惨劇に関わっていなかったためか、力強く、はっきりとしたものである。

彼らは誰なのか。その新しく見える一群は決して新しい顔ぶれなのではなかった。その一群はパーティーが荒れ狂う前に静かにその場を離れていった人々だったのである。

倒れている傍観者たちは、さらに衝撃的な事実を知る。彼らはパーティーの最初の頃に参加していただけではなく、パーティーを始めた人々であったのである。

「何ということだ」と誰かが叫ぶ。振り落とされ、自由に動くこともままならない人々は、ゲームの達人が再び仕事にとりかかるのをただただ眺めるばかりである。

これらプロの一群はバンドワゴンに向かって駆け出していく。一瞬のうちに彼らはバンドワゴンに飛び乗る。あまりにも簡単なことである。群衆を振り払ったバンドワゴンは、自由に優雅に心地よく前進することができる。

その速度は徐々に加速し、すぐにスムーズなペースを取り戻すのである。誰にも邪魔されず数マイルを走ると、これらの達人の中の誰かがスイッチを入れる。すると、再び楽しげな音楽が大音量で流れ出すのである。

誰かが「さあ、やるぞ。また奴らがやって来るぞ。もう1回やってやろう」と叫ぶ。間もなく先ほどの惨劇の被害者たちが再び興味を持ち始める。音楽は墓場へと彼らを招いているようでもある。そして、終わりのない循環が再び始まるのである。

ビットコイン相場をバンドワゴンに当てはめてみる

バンドワゴン効果の話を現在のビットコイン相場に当てはめるとどうなるのでしょうか。

2018年に入りバブルから一転大暴落し、三角ペナントの形で上下しながら推移しています。

特徴的なのは下落が65万前後のところでピタリと止まっている点です。ここの底は相当堅いと思われます。推測するに2017年の春から秋にかけて参入し平均取得価格30万~50万でガチホしている層なのではないでしょうか。

バンドワゴンの話に当てはめると、2017年末に参入したいわゆる出川組は、最初のワゴンのバックで振り落とされています。

2017年参入ガチホ組で熱狂的なファンのみわずかにバンドワゴンにつかまっている状態です。

バンドワゴンの話のとおりのことが現実に起こるとすれば、65万の底値を守っている熱狂的なファンをも振り落とすアクセル全開の荒々しい大暴落が起こることになります。

65万の底値を守っているガチホ組は、2017年末のような高騰が今年(2018年)の年末も起こることを期待していると思います。

今の三角ペナントから上抜けすれば高騰するでしょうが、下抜けする可能性もあります。底値守り隊を振り落とすには年末大暴落は効果的でしょう。

パーティーを始めたのはどんな人?何の目的?

バンドワゴンの話で興味深いのはパーティーをコントロールしているのは、どのような立場の人が何の目的でやっているのかという点です。

この本のタイトルはデイトレーダーです。やはりコントロールしているのはプロのデイトレーダーと考えるのが自然な気がします。

次にプロのデイトレーダーは何の目的でワゴンに乗り込む人々の新陳代謝を行っているのでしょうか。

デイトレーダーは自分が買いたいときには売ってくれる相手が必要です。また売りたいときには買ってくれる相手が必要です。

デイトレーダーが一番恐れているのは売買する相手がいなくなることです。仕事をスムーズに行うには出来高が多く厚い板が必要なのです。

デイトレーダーにとってはバンドワゴンに乗っているのが熱狂的なファンばかりになってしまいトレードしなくなる状態では仕事になりません。一度いい思いをさせワゴンから振り落とします。

そして、振り落とされた者が時間が経過し少し回復してトレード欲が戻ってきた頃に音楽を鳴らして再びワゴンに乗り込んでくるのを待つのです。

これがプロ集団がワゴンに乗り込む人を新陳代謝する理由なのではないでしょうか。

バンドワゴンの話に古参のビットコイナーは出てこない

4~5年前から仮想通貨をガチホしている古参のビットコイナー達はバンドワゴンの話には出てきません。

彼らはバンドワゴンが街中で大音量で流す楽しげな音楽に興味を示しません。

あんな音楽何が楽しいんだろと思いながら、外の喧騒をよそに数年前に買ったレコードを部屋で一人静かに聞いているのです。

彼らはトレードとかマーケットという世界とは別のパラレルワールドで生きているのです。

Crypto FP
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